人生ゲコゲコ!酒と泪と女とオレンジ。

写真:川嶋 杏子 / 文・構成:宮﨑 薫

社会のコミュニケーションのひとつである飲み会。飲み会にはわりと参加するほうだし、誘ってもらうのは嬉しいし、付き合いも良いほうだ。ただ、お酒が飲めないと悪いことをしているわけではないのに何だか肩身が狭い、少し置いていかれている感、その場で盛り上がりきれていない感を持っていたわたし。
「お酒が飲めないってどうなんだ?」
「下戸ってホントはどう思ってる?」
そんな疑問と悩みを共有したくて、下戸同士が本音をぶちまける『下戸座談会』を開催してみた。

●1ページ目:人生いろいろ、下戸たちの世界!
●2ページ目:下戸から飲むひとの世界へ突撃!


《下戸メンバー紹介》

アズミ:体質的にお酒がまったく飲めない。飲んだら死ぬって言われている。
リエ :まったく飲めないわけではないけれど、お酒が弱い。
カオル:体質的に飲まない方がよく、一口だけ味見するくらい。


いろいろ事情を抱えている下戸たち

アズミ:肝臓にアルコール分解酵素が2つともないんだよね。お医者さんに血液検査で数値みてもらって「飲んだらいかん、飲んだら死ぬ」って言われて。そっか、だからか〜…。

リエ:わたしは、まったく飲めなくはないけど、みんながめっちゃおいしいと思っているほど思えない。実は、(前職は)はずみでアルコールのバイヤーしてたことがあるんだよ。だから飲めると思われるねん。その体裁で話しかけられると、実はそんなに飲めないんですって言えないっていうか…。めっちゃ飲めると思われるから必殺技があって「車で来てるんで〜」って。

アズミ・カオル:なるほど〜、なんとスマートな!!

リエ:飲めないってアピールするとややこしいからね。

アズミ:それ、超気遣い。考えたね。そんなスマートな断りかたがあったとはっ!!!わたし普通に「飲めません!」って言ってた。

リエ:わたしも最初はね、そう言ってた。そんなに強いほうじゃないけど、「飲めない」って言っちゃうと「あ〜…」って場がしらけちゃうからね。悪気はないしね。みんな楽しんでくれてはるし、何ならごはん食べてひとりで盛り上がってられるねんけどね。

アズミ:気ィ、つかうもんね。

リエ:編みだした必殺技!!!

アズミ・カオル:それはいいかもしんない。

カオル:わたしは肝臓から出てる管が細くって、まったく飲めないことはないけど弱い。すぐ気分悪くなって戻しちゃうし、頭ガンガンして眠くなる。

アズミつ、辛い…。飲むことが辛いんですよ。

下戸ならではの定番ドリンク

アズミ:だいたいわたしの定番は、グレープフルーツジュース、飽きたらオレンジジュース、最後烏龍茶。最終的にはあったかい烏龍茶。

リエ:わたしは烏龍茶、ひたすら烏龍茶、最後あったかい日本茶。めっちゃ親しい友達と飲む時は、カルピスチュウハイ割、ソーダ割り、梅酒ソーダ割りとか。みんながグビグビ飲んでる時に、わたしはちびちびと飲む。

カオル:わたしは結構ジンジャーエール。

アズミ:あ。いるよね、ジンジャーエール派。

カオル:結構おしゃれなとこやったらジンジャーエールで、和食やったら烏龍茶から入る時もあるけど店によるかも。基本ジンジャーエールで、次はグレープフルーツジュース、オレンジいくか烏龍茶にいくか。

アズミ:わかる。確かに和食だったら烏龍茶、イタリアンだったらブラッドオレンジジュースいく。

下戸あるあると悩み、そして…

リエ:外でイベントとかあるときに、お酒の量がわからんからどのくらい準備したらいいかわからん。なんぼほどビールを準備していいかとか。え、(お酒)もうないん?みたいになる。

アズミ:あと、お酒の単位がわからんよね。「一升瓶、そんなに飲んだのすごい〜!!」とか言ってるけど、そんなにすごいの?

リエ:ロング缶とか。わたしなんて350mlでやっとこさやから。ロング缶とか一瞬でなくなるっていう意味がわからん。

アズミ:イッキ飲みとかしたらすぐなくなっちゃうもんね。お酒の単位がわからない。

リエ:何でお酒の会があるんでしょ?終わった後に必ず打ち上げってあるでしょ。あれって絶対飲み会。参加しないと親しくなれない的モード。

アズミ:ごはん会でいいじゃない。

カオル:会社の飲み会とか接待みたいなん、最初のうち上司とかに注ぎにいくとかわからんし、注ぐタイミングがわからんし。ていうか、接待系あんまり注ぐ気持ちが生まれない。

リエ:気がつくとみんなバシバシ注いでいくもん。遅ればせでビール瓶とか持っていっても、今タイミングじゃありません的な。

アズミ:全然タイミングがはかれない。超わかる〜。手酌とかも意味わかんなかったもん。手酌って何やねん?

カオル:飲みに行くところは好きやんね?誘われたりとか?

アズミ:うん。好き。

リエ:興味のない商談とかは嫌だけど。

カオル:仲良しの時は、全然行きたいから誘ってほしい。

アズミ:でもおいしいものはやっぱ食べたい。幹事をやったらごはんがおいしいお店が選べるでしょ。飲み会の幹事を任されたら、お酒中心じゃなくてごはん中心で選ぶ。

カオル:おいしいとこに行きたいよね。

全員:そうそう〜。(超同意。ウンウン頷く)

カオルみんながめっちゃ盛り上がってるときに、わたしらはシラフだから空気で楽しむ。わ〜って楽しむって感じやね。ハイテンションになれるよね?

アズミ場に合わせる。下戸はそのへん身につけてる。

リエ:枝豆で酔えるぐらいの勢い。

カオル:あと飲めないとちょっと行動範囲が狭いっていうか、お店の開拓度合いが低いと思ってて。よく飲む人はすぐにお店がピックアップできるというか。

アズミ:なんか直感が働くのかな?ここ良さそうとか、ここおいしいとか。

カオル:でも飲みたいだけのひとは、飲めればいい。

リエ:飲み放題いらんよね〜。

全員:出たーーーっ!!(拍手)

リエ:飲み放題から解放してほしい。わたしは一杯でいいから、安くして欲しい。飲み放題、わたしだけ嫌って言えない。

アズミ:ず〜っと烏龍茶飲んでるのに。烏龍茶で元を取ろうとね、すごい頑張るもん。

カオル:割り勘のときに、時々不条理なことがあるんですよ。

リエ:時々っていうか、だいたい毎回。

アズミ:ワインのボトルぼんぼん頼んでて、結局同じ額で割られたりするやん。

カオル:ちょっとだけまけて貰えるだけでうれしいよね。

リエ配慮があるひとたちが、お酒を抜いた金額で割ってくれたりすると、超うれしい。

全員天使ーーー!!

リエ:でもみんな酔っぱらってるから、そこまでの配慮してくれるひといない。累々と割り勘負け。

アズミ:そうそう、最後みんな酔っぱらっちゃってると、お金の勘定ができなくって、誰から集めたかわからんから「え、まだもらってない?え、いくら?」ってやってるから、「わたしがやりますよ」って下戸が金額をまとめる羽目になったりする。わたし、学生の時にベロベロに酔っ払った友達を(両肩に腕回して)こうやって担いで帰ったことありますもん。

リエ:救急車呼んだことある。

カオル:1時間くらい「大丈夫?」って友達を歩いて送って行ったことある。介抱するっていうか、ひたすら待つっていう。歩けるとまだ大丈夫なんやけど、そこまでが結構大変。結構寝てるし。

アズミ:女の子は危ないしね。大変なんですよ。下戸の苦労です。

カオル:下戸はちゃんと終電間に合うかな?の配慮するからね。

アズミ:い、い、今、お勘定ね。今、お勘定して帰ろう!!

【2ページ目:下戸から飲むひとの世界へ突撃!】
下戸から眺める飲めるひとたちの摩訶不思議な世界…