【実験】「お父さんの枕」臭い壊滅大作戦!

寝室ではなくリビングで使っています。ーい草枕体験レポ(3)ー

文:大森ちはる

「枕、あかんかったわ。カサカサいうやん、音が。頭を左右に傾けるたびに気になって、寝られへんくて」
い草枕を手渡した翌朝、夫は起きてくるなり、そう言った。

そっかそっか。しゃあないね。「1日目でリタイアなんて、レポート書かれへんやないかーい」と腹の内でツッコミつつ、わたしは諦めた。うちの夫は、「朕」である。あの「国家なり」の「朕」。一度言い出したら聞かないし、こうと決めたら揺らがない。

例えば、頭皮のケア。シャンプーや食生活の志向へのこだわりは一切ないが、1ヶ月半に一度、髪の毛のカットに行くたびに必ずヘッドスパもしてもらってくる。担当の美容師さんだって、もう10年以上、一筋だ。

わたしはずっと、彼の毎度毎度のヘッドスパは100%リラクゼーションのためだと思っていた。けれど、ある日、テレビでスカルプシャンプーのCMが流れるや、「俺が育毛とか臭いとか気にせんでいいのは、ヘッドスパのおかげや」とさらりと言うではないか。

……え?その意味でのヘッドスパって、日々のケア(シャンプーや食生活)あってのスペシャルケアの位置づけちゃうの?シャンプーは長年パ〇テーン(短髪なのになぜ?)だし、お味噌汁にわかめを入れると「薄揚げがよかった」とか言うのに。いろいろすっ飛ばしてはおりませんか。

臣民の目にはそう映るのだけど、彼はどこ吹く風で、「後退しない額」と「妻とひよこ(娘・4歳)に嫌がられない程度のニオイ」というエビデンスを携えて「朕はヘッドスパ」を疑わない。

30代半ばを過ぎた人間だから、ニオイだってなくはないさ。でも、妻とひよこ(娘・4歳)に嫌がられるほどではない。よって、「朕は臭くない」。これもまた、夫の自負としてあるらしく。

「消臭効果があるねんて」といぐさ枕の話題を初めて出したとき、彼の反応は「ふーん」と薄かった。うん、想定の範囲内。かくいうわたしも、「ふーん」だったもの。

そりゃ、しますよ、ニオイ。

たまにベッドで昼寝したとき(夜は夫がベッド、ひよことわたしが布団で寝ています)や、お風呂上がりに間違えて夫のバスローブを羽織ってしまったとき。そこはかとなく……ではなく、まあまあの。アカの他人だったら全力でご遠慮したいくらいのものは、する。でも、まあ、夫なので。

これといって夫のニオイに困っていないわたしがいぐさ枕のモニターに立候補した理由、それは素材だった。「い草」に魅かれたのだ。

もともと和風のインテリアが好きで、リビングには岩谷堂箪笥のテレビ台と階段箪笥を置いている。窓には障子風のロールスルクリーン。建売で購入した家には和室は1部屋しかなく、しかも部屋の位置的に陽当たりがわるく物置きのように使っているけれど、願わくば、和室でごろごろ、縁側越しに庭を眺めちゃったりなんかができる暮らしがしたいと思っている。

い草枕は、硬い。

中にいぐさチップがぎゅうぎゅうに詰まっていて、頭が沈み込む余地はない。夫は、テ〇ピュールの、頭に寄り添って離れない低反発枕を愛用している。何せ、「朕」で「国家」で、「臭くない」を自認する彼だ。手渡した瞬間に「ちょっと、これは……」と断固拒否されるかもしれないと覚悟していた。

でも、もしも夫が使ってくれなかったら、ぜひとも、リビングでクッション兼ごろ寝枕にしたい!(ちょうどそういうものを探していた)と企んで、「はい!」と枕モニターに手を挙げた。

結果として、夫は一度、受け入れてくれた。ニオイをまったく気にしていないわけではないのかもしれない。これは意外な発見だった。

そして、あかんかった主たる理由が硬さではなく「カサカサいう音」だったことも。聞けば、寝るときは時計の秒針のカチカチいう音もあかんらしい。もうすぐ結婚して10年になるけれど、ずっと寝室に時計を置いてこなかったので知らなかった。ツーカーだと思っても、まだまだ知らないことってあるんだな。

現在、いぐさ枕はリビングのソファーに常駐している。

ある時はテレビを観る夫の枕に、ある時は膝にPCを乗せて作業するわたしの台座に、またある時は床に体育座りでテレビを観るひよこが抱き枕のように抱えて。リビングにおける佇まい、ふと鼻を寄せて嗅ぎたくなる香り。「枕」にもかかわらず、この違和感のなさと親密感は、「い草」という天然素材だからこそなのだと思う。
い草枕、我が家では眠る時ではなく、起きている時にからだを預ける相手として大活躍中である。

体験結果はコチラ。

(1)長期出張にも同伴しました。(あだっちゃん)
(2)毎晩『♪』って感じになるねん。(DEMOくらし運営ディレクション・河合義徳)
(3)寝室ではなくリビングで使っています。(大森ちはる)
(4)枕としてはムリだけど。(にしごやゆみこ)
(5)寝室の空気が違う!!(熊田美佐)
(6)においだけでなく、いびきも!?(山本しのぶ)

執筆者プロフィール

大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
夫とひよこ(娘・4歳)と3人暮らし。2017年春、新卒以来10数年勤めたシステムエンジニアの仕事を離れました。機嫌よく気前よく、生きたい・書きたい・働きたい!