ピソコモド・千住社長に教えてもらう 【2/5】

「安い畳は4000~4500本のい草を使いますが、これは6000本以上です」

湯川:例えば、中国産のい草と国産のい草では、品質は違いますか? 中国産はきっと安いんでしょ。

千住:安いですよ。値段で言うと、中国産は国産の1/3です。見た目はそんなに変わらないんですが、一番の違いは、い草の強さです。

湯川:強さの違いって?

しっかりと成長した日本のい草、青々としている

千住:い草の田植えは12月、これは中国も日本もほぼ同じですが、刈り取り時期が違います。日本は7月に刈り取り。い草はピークまで成長してしっかりしています。中国は5月か6月の終わりに刈り取りをするので、成長しきっていない、まだ弱いい草なんです。
何故かっていうと、中国では手刈りなので暑いと作業効率が落ちる、緯度の関係で7月ではい草が日焼けするんです。い草は青い方が商品価値が高いので、しっかり成長させるより見た目の青さを優先です。

(にしごや:中国産は品質より作業効率と、見た目重視なんだ)

千住:また、地力(じりき)、つまり土地の栄養分も違う、水の綺麗さも違う。い草は日本の気候に合う農作物なので、日本の土地が合う。水も、中国の水はあんまりきれいじゃないんです。土地の地力と、水と、刈り取りのタイミングが違うので、中国産と国産の品質は結構違いがあるんです。

湯川:もともとい草の畳が日本で作られてたから、日本の気候で作ったものがドンピシャなんですね。では、「いい畳」とは?

千住:今、お話ししているこのお部屋の畳は、いいですよ。これは、作って16年くらいたつ畳ですが、表替え(畳表の張り替え)は全くしていない。まず、目が詰まっています。普通の安い畳は4000~4500本のい草を使いますが、これは6000本以上使っています。い草の本数が多いと目が詰まっていて、厚みが全然違うんです。

湯川:(畳表のサンプルを見て)厚みが全然違う!めっちゃいいですね。

千住:縦糸といって、い草の中に糸が入っているんですが、これは麻糸を使っています。麻糸は太い、しかもこれ、たぶん麻を2本使っています。中に通ってるのが太いから山が太くなって凹凸ができます。

左が「いい畳表」。確かにしっかりと目が詰まっている

左が「いい畳表」。よく見ると、凸凹がはっきりとしている

湯川:もりもりしてますね。押してもつぶれない。

千住:この凹凸があるとね…障子から明かりが入ってくると、凹凸に光が当たって、谷のところに影ができる。陰影がはっきり出て、すごく上品なお部屋になるんです。

湯川:そんなところにまで美学が!

千住:あと、この部屋のようないい畳は均一に日に焼けて、ムラがあまりない、飴色に焼けるっていうんですけどね。木材と一緒ですよ。それが、きれいなんです。そして、さらに使い続けると、人間の足の裏の油を吸い込むでしょ。そうすると、ツヤが出る。靴とかが、ツヤが出る感じと同じです。

湯川:いい感じになるんですね!

(にしごや:革製品の育てる楽しみに似ている。畳も育てて味わうものなんだ。凹凸の陰影とか、飴色に焼けるとか、今まで思ってもみなかった畳の美しさを知って、興味深いな)

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