「冬の山頂で熱燗は美味しいのか?」を検証してみた。

1ページ目:準備編(ルート計画・荷物・お酒)
2ページ目:当日編(登山・いざ熱燗)
3ページ目:「白鶴 山の会」さんがアドバイスをくださいました。 他

当日編

当日①《登山》 ハプニング! 水没で通行止めだと……!?

なにぶん私が登山初心者のため地獄谷ルートを通る予定だったが、途中の道が水没で通行止めになっていたので、仕方なく熟練向けの西尾根コースを進むことに。


  • 【意気揚々】
    午前10時ごろ、神鉄「大池」駅からスタート。気温11℃、天気は曇り。少々風あり。

  • 【正直しんどい】
    文字通り、尾根沿いを歩く熟練コース。険しい登りには、ロープがかかっている。木の枝などにつかまる必要もあり、持ってきた軍手を使う。

  • 【つつつつ、ついに!】
    12時半、頂上のダイヤモンドポイントに登り着いた。約2時間半の登山。登りきったときには、風が気持ちよく感じたが、少しじっとしていると、すぐに寒くなる。はやく熱燗で暖をとりたい。熱燗予定地の記念碑台までは、さらに2km。とはいえ、道は平たんで歩きやすい。

当日②《いざ熱燗》……あれ? 思ってたのとちょっと違うかも?? まるでマッチ売りの少女のような外飲み。


  • 【1.寒さが身にしみる】
    ビジターセンターの外にある温度計を見ると約4℃。風も強い。体を動かさない状態では、寒さが身にしみる。記念碑台には人は見当たらず、上にあるビジターセンター内でハイカー数人が暖をとっていた。

  • 【2. さあ、セッティング】
    記念碑台の屋根があるベンチで、道具を広げる。外の水道は凍結防止のためか利用禁止。持参した水を鍋に入れ、コンロに火をつける。

  • 【3. いざ、熱燗】
    まずは、4合瓶で持参した明石のお酒「来楽」を。

  • 【4. う〜ん……コレジャナイ感】
    料理用の温度計を忘れて、お酒の温度を計れず。酒タンポの酒が回流しだしたので、飲んでみる。ぬる燗。寒いので美味しく感じない。

  • 【5. 仕切り直して、ようやく】
    沸騰した鍋に少し置いて、再度飲む。熱々で美味しい。50℃くらいか? 体があたたまって、美味しい!! 大池のコンビニで買ったあたりめが熱いお燗によく合う。

  • 【6. 冷酒は……ムリでした】
    酒タンポが空になったところで、ウィスキーボトルに小分けしてきた浦霞を、まず冷酒で飲む。冷たい、寒い。冬の山頂で冷酒は辛い。飲みたくない。いや、飲めない。

やはり、熱燗だ。酒タンポに浦霞を注ぐ。ウイスキーボトルはちょうど1合であった。
熱燗ができるまで、また待ちの時間に入る。体温が下がり、寒さが堪える。冬の山頂での外飲みは厳しいことを実感。浦霞の熱燗ができると、またお猪口に注いで飲む。ほっと一息。飲み切ってじっとしていると、また寒くなる。もう1合燗をつける。待っているあいだは寒い。呑んだらあたたまるが、しばらくすると寒くなる。

寒い→熱燗が呑みたくなる→湯煎待ちは寒い→熱燗うまい→飲み終わると寒い→熱燗が呑みたくなる、の繰り返し。まるでマッチ売りの少女のような外飲み。お酒が切れたら、凍えてしまう……この負のループを4回繰り返したところで、寒さに負けて外飲みを終了。


  • 【お湯サービス】
    ふと見るとベンチには、お湯サービスの案内が。寒さに耐えきれず、記念碑台の上にあるビジターセンター内に入る。

  • 【グッジョブ、夫】
    夫がひそかにリュックに入れていたドリップコーヒーセットで、コーヒーを入れる。

  • 【からだの芯があたたまる】
    室内のストーブにあたたまりながら、熱いコーヒーを胃に注ぐ。あたたまり、元気が出てきたところで、下山を始めた。

山頂での熱燗は、辛口の熱燗がとても美味しかったが、美味しいのは一瞬ですぐ寒くなる。熱燗はお酒をあたためる時間が非常に寒く、美味しいと感じられるのは短い時間であった。この一瞬を楽しむためなら素晴らしいと思うが、それ以外はおすすめできず。非常に残念な結果となった。冬はあたたかい場所でゆっくり熱燗を味わうのがよいのかもしれない。

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