ピソコモド・千住社長に教えてもらう 【4/5】
「畳屋さんってのは、ほぼいっちゃってます(笑)。隙間が空くことを異常に嫌うんです」
湯川:あー、やっぱり畳入れたいな。そういう時どこに連絡したらいいんでしょう?
ホームセンターって国産の畳とか扱ってます?
千住:ホームセンターによりますが、安い商品が多いので、中国製の畳が多いですね。
湯川:国産の畳を入れたい時は、みんなどうすればいいんですか?
千住:ネットで調べるか、あとは近所の畳屋さんに聞くとか。
湯川:近所の畳屋さんはすっごいハードル高い!それまで接点ないですもん。
(にしごや:近所のどこに畳屋さんがあるのかもわからない。しかも、未知の世界すぎて、すごいハードル高い!なんか、怖いし)
湯川:畳屋さんにお願いすると、どうやって畳入れてもらえるんですか?
千住:まず、お客さんのお部屋に伺って、縦横対角線とかを測ります。そうして、バランス良く、すべての畳が同じくらいの大きさになるように配置を決めていきます。お客さんのお部屋に合わせて畳の大きさを決めるんです。たとえば、このスペースを畳8枚に割り付けていく技術があるんですよ、畳屋さんって。
湯川:割り付ける?畳一枚一枚オーダーメイドなんですか?
千住:ぱっと見わからないけど、実際は大きさ違うんですよ。
湯川:そうか、最後の一枚でスペースの調整ではないんだ。
(にしごや:畳の大きさって、一律決まってて、ただ、はめこんでるだけかと思ってた!)
千住:しかも、この畳はここの場所しか入らない、この畳と、こっちの畳を入れ替えるとちょっと隙間がでたりとか、入らなかったりするんです。
(にしごや:なんだそれは?ジグソーパズルですか?)
湯川:えー!!みんなそんな面倒くさいことやってんですか? ずれたら大変だから?
千住:もともと、大工さんがきちんと正確な寸法で部屋を作ったら、中に入れる畳はおんなじ大きさで作っても入るんです。でも家ってちょっと歪んでるんです。どんなに頑張っても若干、歪んでる。畳屋さんってのは、その微妙な歪みをきちんと寸法測って、そのお部屋の寸法に寸分たがわず、隙間なく埋める技術があるんです。


湯川:そういえば、友達が畳屋さんにお願いして、部屋に畳を入れてもらった時の話ですけど。
畳をきれいに敷いた後で、畳屋さんが「ちょっと違いますね、すみません、一回持ち帰ります」って言って、全部持ち帰ってやり直したそうなんです。お客さんは違いが全然わからないのに、ですよ。別にいいじゃないですか?そんなにきっちりこだわる必要があるんですか?
(ここで話を聞いていた畳屋さんが乱入。『ちょっとした柱のサイズ、歪み。畳に合わなければ、そのまま置いて帰れない。たとえ2ミリとかでも、気に入らない。持って帰ります』)
湯川:ちょっと、いっちゃってる畳屋さんですね(笑)
千住:畳屋さんってのは、ほぼいっちゃってます(笑)。隙間が空くことを異常に嫌うんです、職人のプライドとして。
湯川:絶対音感みたいな、絶対隙間感?
(畳屋さん、また乱入。『ぴたっと入らないと。隙間は悪』)
千住:隙間を絶対作らないために、畳をちょっとだけ、1ミリとか2ミリとか、大きく作るんです。ちょっとだけ大きく作って無理やり入れる。だから絶対ぴたっと合う。
湯川:隙間ゼロ!その瞬間、畳屋さんどんな気持ち?
(再び畳屋。『脳にしびれる!』)
湯川:その快感が忘れられなくて畳屋さんやってたりして(笑)
千住:あと、微妙な高さも合わなかったら、もう許せない。へりの模様とかまで合わせたりもします。
(にしごや:畳屋さんの職人魂が、隙間を埋めることにあるとは!「隙間は悪」がツボすぎる(笑)畳屋さんって怖い職人さんと思っていたけど、ちょっと変な人達かも)
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「スリッパの裏の汚さを畳に伝えたらだめって感じしますよね」
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