【座り込め、妄想しろ、畳の上で。】~vol,001 旧小河家別邸

文:やすかわのりこ

明治の末期に別荘として建てられた近代和風建築の旧小河家別邸は現在国登録有形文化財に、それを取り囲む広大な池泉回遊式庭園は国登録記念物に登録されるに等しく、それぞれに古いだけ、美しいだけにとどまらず、客人用にしつらえた浴室やトイレを見れば時代がようやく追い付いてきたことを感じるだろう。


ー Hello,Baby☆

弘化4年(1847年)三木町にある一軒の米穀肥料商にたぶん、きっと、元気な産声が上がりました。
赤ちゃんの名は、秀太郎。
後にこの素晴らしい別荘を建てる男の子だ。
時代が変わるごとに小さな手が少しずつ大きくなった。
武士になった、実業家になった、政治家にもなった。
そして、もてなすための立派な別荘を建てた。
「今はね、見事な庭を一望できる客座敷で定期的に演奏会が開かれてんだよ、秀太郎さん。」
あなたに聴かせたい歌があるよ。
携帯に落としたから一緒に聴こうよ。
次回は、雨の日に会いましょう。


小河秀太郎
彼の創った小河酒造には「小河の菊」という名の酒が販売されていた。別邸にある位の高い方だけが通される「上段の間」からは、彼の広い交友関係や活躍ぶりをうかがうことができる。
弘化4年     小河太吉の次男として生まれるも9歳で武家に養子に出される。
慶応2年     17歳で武士として第二次長州戦争に参戦するも新政府軍に敗れる。
明治4年     廃藩置県後、郷里三木に帰り、商売を習い、実業家へ。
明治9年     造り酒屋を開業し成功を収め、政治家としても活躍する。
明治36年頃   この素晴らしい別荘を建てる。
大正9年     73歳でこの世を去る。

〈Data〉国登録有形文化財 旧小河家別邸
地元や県外からも訪れる人々をこの別邸を愛する方々が秀太郎に代わり、もてなし続けています。
住所:兵庫県三木市本町3-6-24
開館時間:10:00~16:00
休館日:月~水曜日、年末年始
入場料:無料
駐車場:なし(三木市観光協会横駐車場のご利用を)
*元番人小屋で美味しいワッフルがいただけます(有料)

【座り込め、妄想しろ、畳の上で。】シリーズ  ~Vol,002 聖ミカエル教会

       

執筆者プロフィール

やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
趣味も特技も特になし。そんな私も20代は「歌で飯食う!」って決めてました。ライブ明けの帰り道、都会のネオンを見送りながら、「脱・田舎!」と心に誓い、ソフトな家出から大阪に流れ着きました。音信不通だったためフラリと実家に立ち寄ると、あるはずの自宅はなく、足元に広がった更地に言葉もなく立ち尽くす。なんてこともありました。笑