コラム

畳屋さんが、我が家にやってきた!

文:やまなのりこ

娘の小学校入学に際し、最低限必要であろうと、何の下調べもせずに、「KOKUYO」という知名度と品質良さそうなイメージだけで購入した、ローラー付き学習椅子。2LDKの間取りのわが家は、リビングに続く和室に勉強机を置くしかなく、とりあえず設置してみる。

いざ置いてみると、畳の上をコロコロ(心配性の私にはゴロゴロと見えていた)と動く、ローラー付き学習椅子。スムーズかつ丁寧に扱えるはずもない小1の椅子さばきを眺めながら、(あぁ。絶対に、畳に悪いに決まってる!!)
(数か月後には、あの椅子の下の畳はボロボロになっているに違いない。)そんな確信を持ち書いた前回の記事。(→前回のコラムはこちら。

6年間生活し使い込んだ畳の張り替えも視野に入れ、近所の畳屋さんに来てもらい(まだ畳は変える予定はないんですけどと念を押しつつ)椅子の不安話をしてみると…

「ほ~ぅ。これは、畳のための椅子なんじゃないですか?」という、予想外の一言。

「え?マジすか?」思わず、タメ語が出るほどの驚き。

このローラー付き学習椅子は、一般的な4本足の椅子と比較すると、動かす際の負担もローラーの為比較的少ないし、畳の接地面も比較的広い。ローラーによって毎回、微妙に座る場所も移動されているので、常に同じ場所に体重がかかり続け、畳が凹む心配もない。これが「畳のための椅子(畳に優しい椅子)」と言ってもらえた理由のよう。

でも、確かに、そう言われれば椅子を設置して半年が経つけれど、椅子の可動範囲を見てみると、そこまでダメージを感じ…ない…?

あぁ。すいません!
ローラー付き学習椅子云々ではなく、元からクタクタ畳で、ローラー椅子によりどう変化したのか記憶にないというのが正直な話なのですが、周囲の畳と比べてみても、そんなに変わりないような印象。

勝手な思い込みで絶対に、「ローラー付き椅子」は畳によくない!!と思ってしまったことに反省しつつ、「畳のための椅子」と畳屋さんに言ってもらえるなら、例え畳がボロボロになろうとも、それは他の椅子を使用したときと比較すれば、最小限の話なのではないか。「それなら、もう気にするのや~めよ!」と、気持ちが明るくなりました♪

畳屋さん曰く、4本足の椅子は、畳と相性が悪いらしい。脚先4点に重さが集中し畳が凹んでしまうし、座るときの引いたり押したりする動きの負担もローラーと比較すると高くなる。これはイメージしやすくうなずいてしまう。

他にどんな椅子が畳と相性がいいのか?という問には、
「スキー板のような椅子があるじゃないですか。あれです。」というご回答。
「・・・」
私の文章力では、説明しきれなさそうなので、下記イメージ写真を参照ください。
「畳に優しい椅子」で検索してみた。

【引用元】
(左)和室用テーブルとイス http://www.malsyo.co.jp/heian_t/heian.html
(右)畳用・和室用テーブル 宴楽椅子 華の宴 黒塗り http://www.malsyo.co.jp/heian_t/heian_chair-1.html

法事とか、畳の飲食店とかでよく見るこの椅子。たしかに、体重の重さも分散されるし、スライドの際も優しそう! この形の学習椅子があるのかどうか…までは、ここではご紹介しませんが、もし和室に学習椅子を設置するわ!という方は、ローラー付き椅子や、スキー板椅子が畳には優しいようです。(生活体験としても、確かにローラー椅子で畳がガリッと削れてしまった!などはなさそうです。)

「KOKUYO」の椅子をお勧めしたかったわけではないのですが、「さすがKOKUYO。360度回転するローラーは、動かしやすくて、子供にやさしい。それは、床にやさしく、畳にも優しいということなのね」と、湧き上がる感謝の想いを抱きつつ、「とにかく椅子も畳も大切に使おうね」と娘と話をしようと思ったのでした。

そして、「畳に合わせるのではなく、私たちの生活に畳を合わせ、多少汚れても傷ついても、気を使いすぎず楽しく畳とたたみと生活してくださいね」という畳屋さんのメッセージにホッとしたりもしました。

※和室・畳とくれば、ふすま。壁に貼られたポスターで、ふすまが、セロテープでボロボロになっていく… ふすまをホワイトボードにできないかな…とか。(あ、脱線!!)娘の快適を求めつつ、家も素敵に保たれる。そんなわが家の最適プランは、今後も模索していこう!と思っています。