ゲリラゴザ vol.08 ーリアルサスペンス劇場だっ!


文:やすかわのりこ

リアルサスペンス劇場だっ!


徳島に行くのなら渦潮の上で座ると決めた。撮影ポイントは、渦の道。潮見表によると、この日は午前午後共に大潮。期待値は上がる。行き当たりばったり派の私だが、たまに、冴えていることがある。問題は、編集長から必ず問われるであろう、なぜ『渦潮』の上なのかという突っ込みに「徳島と言えば、鳴門の渦潮でしょう!」では、奴が納得するはずがない。出かける前に言い訳を作っておき、黙って行くことにした。つまり、動機のアリバイ工作だ。ペロンチョと渦潮の上にゴザを敷き、チョコンと座って写真を撮る。こんなふざけたことのために、自分の限られた時間と熱量をどれだけ注ぐのだろうか?など、今は全くの愚問である。気分はもう、何曜日かのサスペンス劇場の主人公だ。まずは、ドキドキすることが肝心。迷宮は、自らが己の足で迷いに行く、例えるなら『迷いたがり屋さんの心のインスタ映えスポット探し』だ。だが、ただひたすら飲み込まれていくのが渦。なんて無力な、自分に選択肢はないのか。いや待てよ、うっかり屋の私でも希望はある。そう、たとえうっかりだったとしても、まるで自ら望んだ事と「また、いつか何処かで会おうぜ」と口笛吹いて、受け入れるのだ。これはもう、マインドが大事。マインドこそが事の末路の明暗を分けると言えよう。これからは、渦と書いてロマンと読もう。気が向けば、そいつを隈なく世界中に広げよう。さてと、旅の仕度を始めるか。渦潮の上であぐらをかく。そんなロマンを追いかけに。

大鳴門橋渦の道へのアクセス https://www.uzunomichi.jp/access/
I
nstagram #渦の道ハッシュタグ

執筆者プロフィール

やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
趣味も特技も特になし。そんな私も20代は「歌で飯食う!」って決めてました。ライブ明けの帰り道、都会のネオンを見送りながら、「脱・田舎!」と心に誓い、ソフトな家出から大阪に流れ着きました。音信不通だったためフラリと実家に立ち寄ると、あるはずの自宅はなく、足元に広がった更地に言葉もなく立ち尽くす。なんてこともありました。笑