【ロックと畳】

 彼女のソウルはこの部屋ではぐくまれた(らしい)。 涙の後には虹が出ちゃうかもね!

文:やすかわのりこ

ついにその日はやって来た。

あんなに恋焦がれ、待ちに待ったのに。
与えられたのは、家の中で一番暗い小さな和室で、
おまけに母の鏡台付き。
B級ホラーにほぼリーチ。

その当時、洋間はなんともゴージャスで、
天井には、シャンデリアがムーディーに輝き。
父のステレオから流れるのは、
クロードチアリと大川栄作。

ホネホネロックに夢中になった小さな私は、畳の上で歌い育った。

時は流れ、私が再び実家に戻った時、
傷心の私を迎えてくれたのは、
ふすま
しょうじ
たたみ
和室の元祖御三家や~!

出戻り娘の荷物を見れば、
北欧雑貨やニトリにナフコ、インド製の手織りラグ。
嫁入り道具のでっかいタンスに、何だかやり切れない思い。

人生楽ありゃ苦もあるさ。まとめて和室にぶち込んだら、畳の上は、人生のごった煮。
今日のは、塩が効いてるなあ…。
新たなジャンルの完成です!

この懐の深さ、まさしくロックなり。

チグハグでも構わないかっこ悪くてかっこ良い。
これが私とロックと畳。

執筆者プロフィール

やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
趣味も特技も特になし。そんな私も20代は「歌で飯食う!」って決めてました。ライブ明けの帰り道、都会のネオンを見送りながら、「脱・田舎!」と心に誓い、ソフトな家出から大阪に流れ着きました。音信不通だったためフラリと実家に立ち寄ると、あるはずの自宅はなく、足元に広がった更地に言葉もなく立ち尽くす。なんてこともありました。笑
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