湯川宅・リビング→サロン計画

Vol.1 「シングルマザー」は・・・

「シングルマザー」は、概念ではなく、現実でした。

こんにちは、湯川カナです。小4ムスメとふたりぐらし……になって、半年。

離婚・別居しても、組織を経営しながら(一般社団法人で事業をやっています)強く生きていくぞ!そんな思いは、我ながら立派。だけど別居後、実際に直面したのは、「小4ムスメを長い時間ひとりで留守番させられない、が、急なミーティングでどうしても留守番させることになっちゃう」「家でも仕事しているとムスメがひとりぼっちなのに相手できないのがけっこう罪悪感」など、どこまでも「リアル」の話なのでした。

これはさ、「リアル」を変えていくしかないじゃん。そう思って、年末に向けて、思い切った大掃除や配置換えをしました。会社の倉庫にも使っていた部屋をふくめて、賃貸の3LDKで、家具を動かし、また戻し、それはもう「家庭内引越」レベル。そうやって、みっつの部屋が、ぶじ、ムスメの部屋(ピョンピョンできるベッドも入れた!)、私またはばーちゃんなど来客の部屋、仕事の部屋となりました。来客用の布団セットは、ふだんはムスメのベッドの下のスペース。ふむふむ。

そして、残ったリビング(というか、私の感覚でいうと「サロン」。スペインに10年住んでいたもので。ぼちぼちお話することになるかと思います)が……どうしても、しっくり来ない!!
大きな窓の向こうに神戸の優しい六甲山・摩耶山と灘の街並みが見える、12畳くらいの空間。ソファー、ローテーブル、ダイニングテーブルにイス4つ。42インチとかの薄型テレビ、テレビ台、見せる収納みたいなやつ。そこに、ワイヤレス電話、懐中電灯、オーディオ、写真立て、カメ、金魚とドジョウ、ムスメの友人のシンガポール土産、ムスメがお気に入りのパワーストーン。そこから独立して、大きな水槽には、牧草に囲まれたペットのネズミのおうち。

窓際に、無機質なデスクとイス、これは最近マインクラフトにおハマり中の、ムスメのパソコン用。パソコンは8年前の、DELLのオールインワン型デスクトップ。1ヶ月に1度くらい弾くデジタルピアノ。去年サンタが持ってきたまま忘れられているミニギター。20年つかっていないサックス。一昨年サンタが持ってきてもう見向きもされないコンガ。大きくて重い黒い本棚。

床は、フローリング。ほとんど使わない床暖房が2面に入っている、らしい(今年使ってみようとして、壊れているらしいことに気づいた)。誰でもくつろげそうで、誰もくつろげない、サロン。でも、家にいる時間のほとんどは、ムスメも私も、ここにいる。

そうだ、ここの「リアル」を、変えよう。ここにいる時間のまるごとすべてが、心地良くなるような、「サロン」をつくろう。「幸せ~」というときに思い出せる、匂い、肌触り、空気の密度、遠くの音、皮膚の毛穴の開き方、表情のゆるみ、あたたかさ、そういう「リアル」がすこしずつ蓄えられていくような、「サロン」をつくろう。

で? 湯川はまず、「ちゃぶ台」を発注したのでした。(Vol.2へ続く)