【有相無相】とは…現象と心理、姿や形をもつものともたないもの全てを意味する言葉です。
このコーナーでは様々な方に自身と畳の関係について語っていただきます。
今回、寄稿いただいたのはウォールペインター すまあみ氏です。
アメリカに20年近く住んで、日本に帰ってこようと決めたとき、「夢の古民家にすむ」と決めていた。どうにか夢かなって(たまたまだけど)、古ーい日本の お家に住んでいる。寝室は60年前に建てられた茶室で、窓からはししおどしが見える。畳は利休好みの黒縁のもの。
雨漏りするしカビ生えるし、げじげじやごきぶりやらワイルドな奴らに遭遇もするし、とっておきは夫が1人の夜に「緑のワンピースを着た女の子に遭遇し た!」とか言いだしたから、娘は怖くて夜は一人で行けなくなった。
しかしこの畳の寝室が、天気の良い朝には世界で一番ピースフルなお部屋に変身を遂げる。通り抜ける風も、きらきらふわりと射す光も、季節を喜ぶ虫の音も、 あんまり柔らかくてあんまり気持ちがいいから、3人でぐるぐる巻きになってぎゅうぎゅうするのが我が家の一日の始まりだ。ああ畳ラブ。
【 ウォールペインター すまあみ 】
16歳の時に単身渡米。NYのFITに進学しファッションライターとして活躍するも、友人宅で子供部屋の壁いっぱいに描かれた壁画に感動し「こどもが想像力をやしなえる空間」を描くウォールペインターへと転身。現地でこども部屋やショップの内装ペイントを手掛け、2010年に帰国。現在は幼稚園、百貨店などのキッズ空間ペイントを手がける他、ファミリアプリスクールではアートプログラムディレクターとしても活躍中。
【HP】http://www.amisuma.com/
【Instagram】https://www.instagram.com/amisuma/