文:熊田美佐
「お父さんがだんだんくさくなってきてさー、あんまり近づかれるといややわー」ということは、女子高生だった頃からかな、友達との会話でちょこちょこ出てくるようになっていた。確かに電車やバスで、よそのおじさんが近くに来ると臭いに耐え切れず遠くに避難していた。
しかし、実は私自身は父親のにおいなんて気にならないままに大人になってしまって「臭いと思うのは家族じゃないからではなかろうか」という仮説を立てていたほどだ。
出会った頃の夫(もうかれこれ20年近く前)からタバコのにおいがしようともそれはそれでいいかもしれないと盲目になっていたし「死ぬまで一緒のお布団で寝れたらいいよね」って甘すぎるセリフも素面で言えた。
なのに、なのに。10年前に長男を出産してから、生活リズムの違いがあり私は和室で子どもたち(息子3人)と寝て、夫は寝室で1人で寝るのが当たり前になった。
さらに信じられないことに、朝、夫を起こそうと寝室のドアを開けるたびになんとも言えない違和感を感じるようになっていた。
寝室に漂う、よどんだ空気。
それこそがあの「お父さんのにおい」なのだと確信したのは息子たちが言い放った「パパの部屋くさいわー」という一言のおかげ。「そんなことないない、気のせいちゃうかな」と息子にさらっと言いながら、私はそうか、そういうことかと納得した。37歳にして、私は「お父さんのにおい」がなんなのかを知った。
それからは、毎朝、寝室に入るとさらっと窓を開けるようになった。
そんな生活に慣れてきた頃に出会ったのが「い草の枕」。「おとうさんの枕のにおい撲滅」というフレーズがついたモニター募集の声に、勢いよく手を挙げた。
実際に枕を手にすると、思ったより硬くて、小さい。夫が使っているテンピュール枕とはずいぶん違う。一抹の不安を感じながら、「これモニターで頂いてきたから使ってみて」と夫に渡したところ健康への関心が高いことが幸いしてあっさり快諾してくれた。
効果は・・・初日からてきめんだった。朝、寝室のドアを開けると、空気が澄んでいた。
「いやいや、そんなうまい話があるか」と思ったけれど夫の方が私より驚いていて「空気が違うって認めたら、なんか自分が負けた感あるけど、違うな・・・。」とあっさり敗北宣言をした。
その後も順調にい草枕生活は続いている。
我が家でい草のパワーを強烈に感じられた要因は「寝室がフローリングだった」ということがあるんじゃないかと思う。い草ゼロから、急に強烈パワーのい草枕が登場。この劇的な変化が、効果の実感度を上げてくれたのかなと考えている。
ただ、い草枕も万能というわけではなくて、めっちゃお酒を飲んだ次の日はい草のパワーが負ける。通常レベルの「お父さんのにおい」にはい草が圧勝し、爽やかな空気へと変換できるが2倍レベル(我が家調べ)の「二日酔いのお父さんのにおい」になるとい草も苦戦するようだ。
枕の使い心地については、うちの夫は許容範囲が広かったようでテンピュールだろうと、固めのい草枕だろうと、まあどっちもそこそこいいかなという程度だそう。それなら、空気がよどまない方を選んでいただいて問題なし。
今のところ我が家では、い草の枕だけで寝室の空気は良好に保たれている。「おとうさんの臭い」がレベルアップしてきたら、部屋の中のい草率をあげればいいのではないかと考えている。
枕の次は、シーツ? マットレスも畳にする? なんなら部屋もフローリングをやめて畳にする?
壁も漆喰をやめてい草に変えちゃう?
うちの場合は、寝起き以外は「おとうさんのにおい」を感じないので寝室だけ対策すればいいだけ、楽チンだ。
そういえば以前「おばちゃんのにおいってあるよなー」って聞いたこともある。となると、「おかあさんのにおい」問題もあるのかもしれない…。
発覚する前にしれっと、私の枕もい草に変えておこう。できれば「ママのまくらくさいー」とか言われたくないもんね。もうちょっと早く夫の枕を変えてあげてたらよかったなと、ちょぴっとだけ反省する、妻なのでした。
体験結果はコチラ。
(1)長期出張にも同伴しました。(あだっちゃん)
(2)毎晩『♪』って感じになるねん。(DEMOくらし運営ディレクション・河合義徳)
(3)寝室ではなくリビングで使っています。(大森ちはる)
(4)枕としてはムリだけど。(にしごやゆみこ)
(5)寝室の空気が違う!!(熊田美佐)
(6)においだけでなく、いびきも!?(山本しのぶ)