文:阪口理恵
かたや「すべての料理を引き立てる脇役」と謙遜する日本酒に対して、「すべての食卓の脇役」と謙遜するねりもの。終わりない謙遜合戦の結末は…
その控えめで熱いバトルを見守る、大人気【白鶴御影校】コラボシリーズ第2弾は、神戸発全国区のメーカーであるカネテツデリカフーズと白鶴酒造のタッグによる、ちくわ・かまぼこ作り体験&「ほぼ」シリーズほぼ全品他カマボコ&日本酒の豪華飲み食べ比べの会となりました☆
【当日の詳しいレポートは以下】
白鶴酒造が、神戸を拠点とする「食」の企業とコラボレートする白鶴御影校「めぐみめぐる神戸食卓講座」。
コンセプトは「神戸の恵みを、毎日の食卓に」。
海と山に囲まれた自然の豊かさと、国際貿易港として培ってきた独特の文化。こういった恵みが育んできた地元の食文化を、プロの知見を聴いて、自分の舌で実際に味わって学び、ふだんの家庭の食卓をより豊かで楽しいものにすることを目指しています。
この日は、その第2回「真の脇役はどっち? カネテツ×白鶴『手の込んだ手抜きおかずの宴』」(ご案内ページ)が、白鶴酒造資料館とカネテツフーズのてっちゃん工房で開催されました。
今回の”対決相手”は、神戸発全国区のメーカーであるカネテツデリカフーズ。
これはもう、想像しただけで今日のご飯のおかずは決まりです…笑
白鶴酒造資料館に集合
まずは白鶴酒造の誇る利き酒鑑定人の植田さんから、白鶴酒造と日本酒のミニ講義を頂きます。
創業はあの徳川7代将軍吉宗の時代という地元神戸の誇る白鶴酒造、全国シェア3割、
市場の出回る日本酒の10本に1本は白鶴さんのものと聞いて、会場が「おー」とどよめく!
今回は食べ比べに役立つように味わいや相性を重点的にレクチャーしてくださり、
言葉は聞いたことあるけど意外と知らない「吟醸と大吟醸の差」のような日本酒の分類法とか、
さらに「大吟醸と純米大吟醸」の違いの話では、
「純米って書いてあったらいいと思ってた…」って呟きがあちこちから。
「大吟醸に使われている醸造アルコールは、ホワイトリカーのようなもので、これを入れると
純米よりも味わいがキリッとして、金賞受賞ランクのお酒でもよく使われています。」
醸造アルコールって添加物じゃないんですね。初めて知りました。
私の周りでも「知らなかった!」の声連発。
ラベルの読み方や日本酒と料理の相性を読み解くポイントでは、私も皆さんにつられ懸命にメモ。
甘口と辛口の考え方や「アミノ酸値とか書いてるの見たことない。」とか思いつつ、
お酒売り場で好みのお酒に巡りあえるヒント沢山頂きました。
てっちゃん、てっちゃん、かねてっちゃん♫
資料館からカネテツフーズのてっちゃん工房へは、近畿タクシーの名物社長森崎さんのガイド付き。
てっちゃんソングを熱唱しつつ貸切バスで移動。到着後早速工房で蒲鉾と竹輪作りタイム!
すり身を蒲鉾板の上で整形してから30分ほど蒸して焼き目をつけるって、
聞いてると簡単そうなのですが、つるんとした蒲鉾型にするのが意外と難しくて悪戦苦闘。
続いて竹輪も型にはめて板状にしたすり身を力を入れずに竹筒に絡ませるって、これもまた中々難易度高い。
そんな合間に蒲鉾クイズも出題!盛りだくさんすぎる!
「60キロのスケソウダラから作れる竹輪の本数は?」という質問。
なな、なんとっ、答えは衝撃の2本!蒲鉾だと1本!
竹輪と蒲鉾が高級品に思えた実習タイムから、いよいよ宴の間へ移動。
いざ、実食タイム!
会場にはすでに美味しそうな香り。
着席すると今日のメニューが置いてありました。
なんとまぁ、豪華6パターンの組合せ。
お子様には甘酒のソーダ割りとか牛乳割り。それも興味津々!
まずは「はも板」と「特撰 特別純米酒 山田錦(燗酒)」。
「はも板」にわさび醤油、噛むうちに濃くなる味わいと醤油味が辛口のお燗に合います!
なんでも関西はパンだけじゃなくて、蒲鉾も厚めに切るのが好みだそうです。
チビチビ味わって食べていた私の周りで、子供達は、「蒲鉾プリプリして美味しい!」って豪快に食べていました。
ウワサの「ほぼ」波状効果!
続いて「世界で最もカニに近いカニかま」を目指して研究を重ねて作られたという「ほぼカニ」を
ホットプレートで温めてカニ酢と一緒に。合わせるのは「上撰 純米にごり酒 さゆり」!
北米でも大人気のお酒だとか。お酢と甘口の濃い味のお酒は合う、本当に合います!
今日のプチ講義で習ったのですが、カニかまは欧米でも大人気で「スリミ」って名前で売られているらしいです。
そしてみんなが「食べてみたい!」と期待度大だった
「ほぼカキフライ」がタルタル付きで登場!
合わせるお酒は「純米 古酒」!シェリー酒みたいな濃い色と濃厚な香り!
これはもう日本酒じゃないかも、いや日本じゃないみたいです。
ほぼカキフライも2層構造と青のり効果で食感と磯っぽさがビックリの再現度!
両方の濃厚ハーモニーにみんな思わず「美味しい!」連呼!
続いて「豆乳揚げだし(白だし)」と「大吟醸(冷酒)」のコンビ。
温かいおでんのような揚げだしを食べつつ、フルーティで淡麗な味の大吟醸をちびちび!
大吟醸はどんな料理にも合うと思う美味しさ!
これで1本1000円って帰りに1本買おうか…
温かい揚げだしとお酒で、みんな急に静かにほっこりと。なんだかホントにおでん屋さんの気分です。
さて次は、期間限定の「松茸入り珍比良」&といつもの「珍比良」に「原酒 蔵酒 特別純米酒(山田錦)」。
資料館のショップでしか買えない「原酒」は、アルコール度数高くて酸度が高い。
ということは辛口だと、さっき植田さんから習いたての知識でこれが辛口かと実感しました。
そこにあわせた珍比良、食べ慣れた味もこうやって味わうと別のものみたい。
そしてラストは「ほぼホタテ」、合わせたのはおなじみの「まる」。
バター醤油味に焼いたほぼホタテに、見慣れた「まる」を合わせてみると、
ほんのりした酸味がほぼホタテバターの甘みとバッチリ!
あまりにも身近で知らなかったのですが、「まる」は味が安定するように
5種類のお酒をブレンドしてオリジナルの麹で造られているって、なんか感動しました。
日本酒を普段から楽しんでおられる参加者の方々からは口々に
「山田錦が美味い」「古酒に驚いた」と、口々に。
美味しいね、びっくりだね、と、はじめましての皆さんと盛り上がり、
おかわりも沢山頂戴しつつ、賑やかにそろそろ締めの時間へ。
ねりもの VS 日本酒、その結果は……
お腹イッパイのいい気分で、参加者の皆さんは「両方が主役で勝者!」という笑顔。
もう勝負はいいですね。参加者さんお一人おひとりからの今日の感想タイムとなりました。
・ワイン派ですが、日本酒ももっと飲んでみたくなりました。
・「山田錦」、とても気に入りました。最高です。
・気軽に参加したら、地元にこんないい会社があると地域再確認のキッカケとなりました。
・色々と飲んで食べて堪能しました。「大吟醸」と「豆乳揚げだし」がベストでした。
・カキフライがキライで普段食べないのですが、「ほぼカキフライ」は美味しかったです。
・「ほぼシリーズ」はカネテツさんの企業努力の賜物だと思います。
そんな中、「「まる」の美味しさを今更ながら発見しました。」という感想を頂いた時に、
前に立っている植田さんがすごく嬉しそうにニッコリされていて、こちらもなんだか嬉しくなりました。
帰りがけにカネテツデリカフーズさんと白鶴酒造さんからお土産と、先程の実習で作った竹輪と蒲鉾を受け取って、みんなはそれぞれてっちゃん工房のショップへ。
ホックホックの笑顔が駅まで連なる、幸せな帰路となりました!
主催:白鶴酒造株式会社
協力:カネテツデリカフーズ株式会社
企画運営:一般社団法人リベルタ学舎
【ご協力いただいた皆さま】
会場移動:近畿タクシー株式会社 http://www.kinkitaxi.com/
めぐみ・めぐる 神戸食卓講座「神戸発・食の本気話(マジバナ)」
神戸の豊かな「めぐみ」を、ふだんの家庭の食卓で、しっかりたっぷり楽しもう!
私たちの「食べる力」を高める、白鶴御影校「めぐみ・めぐる 神戸食卓講座」。
神戸を拠点とする企業の「食」のエキスパートと、白鶴酒造の「日本酒」のエキスパート。
プロフェッショナルたちの知見の協奏に触れて、毎日の食生活をより楽しむ方法を発見するシリーズです。
この日に開催した第2回のご案内ページ: 「真の脇役はどっち? 『手の込んだ手抜きおかずの宴』」 ◆レビュー目次
第1回 「舌と脳でマリアージュを味わう」(UCCホールディングス株式会社)
第2回 「脇役 × 脇役=結果は想像以上!」(カネテツデリカフーズ株式会社)
第3回 「お酒ちびちび、フォンデュに唸る」(六甲バター株式会社)
第4回 「大変な時こそ、おいしいものを食べよう」(神戸市消防局/エム・シーシー食品株式会社)