構成:大森ちはる
誠味屋本店さんが持ってきてくださったのは、ちりめん山椒や塩昆布にはじまり、高級な松茸昆布に、めずらしい柚子昆布。
その隣には、酢ごぼう、煮豆といった惣菜まで。ずらりと並ぶ具材をお好みで選んで、おむすびに詰めて、ぎゅっ! ぱくっ! おいし〜っ!
ワークショップ兼お昼ごはんの、おむすびづくり。そのままかぶりつくもヨシ、だし茶漬けにしていただくもヨシ。
「塩昆布と酢ゴボウの組み合わせ、歯ごたえがあってすごくおいしい!」「クルミと花豆のコンビネーションがたまりません」「こどもがだし茶漬けを独り占めしてます〜」
おむすびモグモグ、お茶漬けサラサラ。日本酒クイッと、甘酒グビグビ。大人はもちろん、夏休み真っ最中のこどもたちも、食べて飲んで大盛り上がりでした。
「おむすびは『自由』。定番の佃煮だけじゃない、食卓に並ぶ日々のおかずだって、立派な具材になるんですよ」と、醸せ師・増田光先生はおっしゃいます。なるほど、おむすびは、「がんばらなきゃ」から解放される「名もないおうちごはん」そのものでした!
【当日の詳しいレポートは以下】
構成:あだっちゃん
テーマは【ゴロゴロおむすび】
「あぁー、お久しぶりです♪」と連続で参加の方々が、親しく挨拶を交わす声から始まりました。4月からスタートしたおうちごはん教室が、ついに最終回を迎え、今回はその様子をレポート。
ちなみに、発酵の伝道師・醸せ師の増田光先生のインタビューを近日公開予定!!
教室では他にもお酒づくりに適した土地・気候風土、そこに関わる人たちが、長い歴史の中で変わらず受け継いできたものを丁寧に伝えてくださるのは、白鶴酒造の植田さんです。ご存知の通り『利き酒鑑定人』です。合間に飛び出すお酒の話やミニ解説は、おまけがついてきた気分がして嬉しくなります。
進行役の食生活アドバイザー・西古屋さんからは、定番のおにぎりの具材に限らず、日々のおかずを具材として入れてみるという、自由で楽しいアイデアを聞きました。夏休み中、お子様の昼ご飯に悩む方、食欲がわかないこの時期には、すぐに試したくなるお話でした。
子供たちはお隣のお子様ワークショップコーナーを見つけ、大学生のお兄さんやお姉さんとすぐに打ち解けて遊び始めました。画用紙をおにぎりの形に切り、いつもおうちで食べている具材を思い出しペタペタと貼ります。具材たっぷりの美味しそうなおにぎりランチシートが出来上がりました。
いつも優しく語り掛けるように話す「醸せ師(かもせし)」の増田先生。『料理作りが苦手な理由は…』と始まると、参加者の方から(そうそう、そうなの…)と聞こえてくるようでした。身体にいいからと知識を得ればえるほど自分でハードルを上げてしまいがちです。でも実は、難しく手間がかかりそうな発酵食品や和食に対して、見方や考え方を変えるだけで、手軽に日々の食卓に取り入れることができるのです。まさに『私にもできる♪』がたくさん詰まったお話でした。
今回のテーマ『おにぎり』には欠かせない佃煮・昆布そうざいの製造販売をされている誠味屋本店さんからは、だしソムリエの山本さんが大きな昆布を持って登場です。昆布やだしの栄養や効果だけではなく、その背景にある昆布が持つ素晴らしい食文化をわかりやすく説明して下さいました。スマートでフェンシングの選手としても活躍されている山本さん。元気で爽やかなのは、昆布やお出汁の力によるものなのでしょうか♪
さあ、みんなでおにぎりを作るよ~!
画用紙でおにぎりを作っていた子供たちもみんなで一緒に、『ごろごろおむすびワークショップ』です。ずらりと並ぶ佃煮や昆布を見て、「食卓にこんなにたくさん並ぶことがないので。」と話しながらお皿に取り分ける参加者さん。大きなおにぎりに複数の具材を組み合わせたり、小さいおにぎりに少しずつ具材を入れたりと、サイズもお味も様々でした。
そう、おにぎりは『自由』なのです
この日の具材は、増田先生や白鶴酒造の方々が、事前に誠味屋さんで試食をして選んだおすすめです。高級な松茸に珍しい柚子などワクワクするものばかり。もちろん遊び心あって、まさかの甘い煮豆もありました。組み合わせ次第で、まさに「自由で、無限大」です。
そして、皆さんの楽しいおにぎりに欠かせないのは、日本酒と甘酒。どれも元々は「お米」ですね。好みの具材のおにぎりをだし茶漬けにしていただきました。お子様には甘酒と合わせて大人気でした。お茶漬けをサラサラと、甘酒をゴクゴクと、食べて飲むお子様が続出。「お茶漬けをこんなに食べてくれるなんて!」、「甘酒を飲むのは初めてなんですけど!」と、あちらこちらで驚きの声が聞かれました。
たくさんの方々にご参加いただきました最終回。神戸市内をはじめ、お隣の芦屋・西宮・尼崎、加古川や京都、川辺郡などからも足を運んでくださいました。素敵な感想の一部をご紹介。
・手まり寿司のようにして頂きました。初めての柚子昆布が美味しい。
・甘酒がおいしくて、9歳で甘酒デビューです。
・はじめて飲んだ甘酒も美味くて、昆布が美味しかったです。普段おむすびに具を入れないから、おいしかったです。
・3回通しで来ていたので、終わるのが寂しいです。またやってほしいです。
・初めての甘酒、3歳の子供がひと缶飲んじゃった。
・「誠味カフェ」を、作って欲しいです。
・畳で子どももゆったり一緒に参加できるところが大好きです。
・学んで食べて呑んで満足です。
最後に増田先生からは
「おむすびの可能性、みなさん自由に発想していただいて、おうちのおかずでも余ったお野菜でお漬物でもできるので、作っていただくのがいいと思います。難しく考えずに食べることを楽しんで、バランスよく食べること、それを繋げていくことが、結果的に日本の食の伝統となっていくので、これからも続けましょう!」と、お話いただきました。
みなさん、台所での時間をどのようにお過ごしですか? この教室でのお話や体験、一緒に参加したみなさんとの会話を思い出して、毎日のごはんづくりや食卓が楽しくなっていたら嬉しいです