文:みやはらゆり
金木犀が香る秋雨の中、白鶴酒造資料館にやってきました。入口では白鶴酒造開発の酒米、白鶴錦が頭を垂れて出迎えてくれました。収穫はもうすぐです。
毎秋恒例の灘の酒蔵めぐりバスに乗って多くの方が訪れる資料館、その一角で白鶴御影校「2017秋冬・和の食卓講座」の第一回が開催されました。
テーマは「機能性食品の基礎知識」。講師は山下陽子先生とナオ先生です。
まずは白鶴酒造の利き酒鑑定人のナオ先生の日本酒講座。
なぜ灘五郷は酒どころとして栄えたのか、日本酒の発酵のプロセスなど、日本酒のおいしさのわけについて教えていただきました。
次に神戸大学大学院農学研究科特命助教の山下陽子先生の講座「機能性食品の基礎知識」です。
食物繊維やポリフェノールなど機能性食品って、近頃よく耳にしますが、日本酒や美味しい食事にどう関係があるのでしょう?
これまで食品中の機能性成分は、カロリーや栄養成分が含まれていないため不要だとされていました。でも実は私たちの体調の調整機能に役立っているとのこと。
機能性成分は体内には残らず「異物」として体外に排出され、そしてその排出の際に体内の毒素なども一緒に出してくれたりする優れモノだったのです。
なるほど、お酒をいただくのになんだか関係ありそうです。
…とはいっても、機能性成分はたくさんとればイイというわけではなく、講座の最後に「ちゃんと理解して知った上で選ぶ『選食力』をつけましょう」と、山下先生はおっしゃられました。
ふたつの講座のあとは先生方を囲んで「美味しい白鶴のお酒3種と機能性成分を生かした二日酔いを抑えるアテ」の試飲&試食会。それぞれのお酒にぴったりで、かつ食物繊維たっぷりのきのこを使った美味しいアテを作ってくださったのは、神戸和酒倶楽部ちょこの森本様。
森本様からはそれぞれのお酒にぴったりの酒器もご提案いただき、美味しいお酒をさらに美味しくいただきました。
3種のお酒以外に皆さまにも好評だった、白鶴酒造と神戸大学が共同開発した「神のまにまに」も試飲。
お子様には白鶴酒造特製の甘酒ソフトクリームを。ぺろりと完食でこちらも好評でした。
参加者の皆さまからは「日本酒についてもっと学んでいきたい」「機能性食品の話がわかりやすかった」「レシピを自宅でも活用したい」などの意見が聞かれ、美味しく学んだ講座は和やかにお開きとなりました。
白鶴酒造といえば、実は進学校として有名な灘中学校・高等学校を設立した酒蔵の1つ。
ナオ先生からは「白鶴御影校を灘高にも負けない素晴らしい学校にしていきたい」という力強いお言葉も出ました。
今後の講座やイベントも楽しみです。
次回の講座は12月10日。今回学んだ機能性食品について、さらに深いお話が聞けそうです。
主催:白鶴酒造株式会社
企画運営:一般社団法人リベルタ学舎
【ご協力いただいた皆さま】
講師:山下陽子先生(神戸大学大学院農学研究科特命助教)
レシピ考案・ケータリング:神戸和酒倶楽部「ちょこ」大将 森本和也氏 https://www.facebook.com/235730336558835/
「大学の先生に学ぶ、お酒をもっと楽しむ食の基本」
神戸の豊かな「めぐみ」を、ふだんの家庭の食卓で、しっかりたっぷり楽しもう!
私たちの「食べる力」を高める、白鶴御影校「めぐみ・めぐる 神戸食卓講座」。
神戸大学大学院農学研究科特命助教&管理栄養士が、科学的知見から「食」の基本を解説する3回シリーズです。
明日からお店や食卓で活用OK! 科学的にお酒に酔いにくくなる「アテ」を、神戸の人気和食店と考案。実食&レシピも提供。
ご案内ページはこちら。
・第1回レビュー:「きのこ」のアテで、お酒をもっと楽しむ
・第2回レビュー:「大根」と「わさび」のアテで、お酒をもっと楽しむ
・第3回レビュー:「カカオ」のアテで、お酒をもっと楽しむ