菰巻きショーは、まるでテレビの観覧席にいるみたい。 〜 2019年春 白鶴酒造「酒蔵開放」

文・写真:大森ちはる

毎年春と秋に開催される白鶴さんの蔵開きイベント「酒蔵開放」。何度か夫と娘と家族3人で赴いたことはあったものの、今回は初めて娘6歳とふたりきりで向かいます。 はてさて、私はおとな一人で日本酒を楽しめるのか。娘はこどもながらにこのお祭りを満喫できるのか。

何はともあれ、まずは外飲み。


4月13日土曜日、この日はピーカン晴れでした。ガタンゴトンと阪神電車に揺られ、会場に到着したのは11:30。


会場に入るなり、芝生でお酒を飲み交わし、くつろぐ人たちが目に飛び込んできます。


こちらを見れば、外飲み日和。


あちらを見れば、お花見日和。


以前来たとき、13:00すぎには食べものが売り切れ続出だったんですよね。その教訓を踏まえて、この日は最初に腹ごしらえ。白鶴さんの料理酒がさりげなくアピールされています。1.8Lではなく500mlなところがいと奥ゆかしき。


飲みものは、資料館の売店コーナーで調達。私は、あわただしいこども連れでも急がず飲めるフタ付きのお酒。娘6歳は大好きな冷やし甘酒。
普段は立ち入ることのできない、専任の庭師の方々が日々調えていらっしゃる(らしい)芝生は、めちゃくちゃふかふかで気持ちよかったです。

シャッと取り出せてスポッと収まる、おちょこホルダー。


お腹が満たされ、しばしお酒&甘酒片手にくつろいだら、活動開始。この日はじめて、「おちょこホルダー」なるものと出会いました。おちょこがスポッと(という以外に表現が見つからないくらいにいい具合に)収まるスグレモノ。取り出すときにももたつかない。この加減、何度も試作されたんだろうなぁ。
(もっと早く到着していたら、酒蔵開放オリジナルのおちょこを受け取れたそうです)


おちょこを携えて、試飲コーナーをめぐります。前回の酒蔵開放までは使い捨てのプラスチックカップを用いていたのを、このたび環境への配慮から取りやめられそう。使い捨てプラスチックという平成時代の「フツー」の感覚は、サヨナラのときなんですね。


大賑わいの資料館1階・無料試飲コーナー。お酒の神様に感謝を捧げる杉玉も吊るされています(写真左上)。なみなみとお酒が注がれたおちょこを口に運ぶと、こういうお祭りで「おちょこでお酒をいただく」それ自体がハレで、たのしさ倍増。

菰巻きショーは、まるでテレビの観覧席にいるみたい。


外に出ると、菰巻きショーが始まろうとしていました。司会の社員さんのフランクな進行と、ほろ酔いギャラリーのノリのよいレスポンスが相まって、つかみはオッケーな盛り上がり。テレビ収録を観覧席で見てるみたい。


通常のお仕事で白鶴さんが菰巻きをすることはないものの、社内には今でも菰巻きができる方が十数人いらっしゃるんですって。出来上がりまで15分を切れば「おぬし、やるなぁ」の域なんだそう。この日の記録は14分ほど! 汗だくになりながら、会場の賑やかしに応えながら、上の写真の1〜8の一連を一瞬たりとも手を止めずに見せてくださいました。


菰巻きショーが終わるなり、即座に鏡開きの準備へ。巻いたものがほどかれ、締めたものが緩められていく。諸行無常の儚さを感じつつも、鮮やかな手さばきに振る舞い酒への期待がふくらみます。「タガが緩む」の慣用句のいわれ(タガをはめることで樽の胴が分解しない)なども教えてもらい、ちょっと賢くなった気分にも。


ギャラリーから選ばれし3名が鏡開きをされました。写真の男性と女性は初対面だったそうですが、法被姿をお互いに「撮りましょうか」とカメラ(スマホ)を預け合う、会場の和やかな温度感。


やっぱり樽酒を注ぐのは柄杓なんですね。


振舞っていただいた開けたての樽酒は、杉の香りがほわ〜っと。そうか、樽酒自体がハレのお酒だから、余計にたのしい気分になっちゃうのかもしれません。

あっという間に3時間。

無料試飲コーナーで私がたのしんでいるうちに「ねえ、まだぁ?」と娘6歳が飽きはじめてしまったので、工場見学や垂れ口試飲といったオトナの愉しみは今回はおあずけとしました。かなりライトな酒蔵開放の会場めぐりだった思いますが、それでも食べて飲んでくつろいで、あっという間の3時間。
娘も、芝生ピクニックに加えて紙すき体験や菰巻きショーのエンターテイメントに触れられたからか、甘酒ソフトを頬張りながら「たのしいねぇ」と言っていました。

1) 風呂敷の上でお酒を酌み交わしていらっしゃったふたり組。芝生に風呂敷、いとをかし。 2)完売して裏返しにされていた鯖寿司の看板。レトロな柄だなと思って近づいてみたら、白鶴さんの鶴紋様ではありませんか。 3・4)お昼頃にはすでに各所で完売続出でした。 5)屋外ステージで披露されていた酒造り唄の様子。桜と法被姿と芝、似合うなぁ。 6)「まる」などの酒パックは古紙の原料にもなっているそうで、会場内には紙すき体験コーナーも。娘6歳、めちゃくちゃ楽しんでいました。 7)史上初? 普段は「入らないでください」な資料館内の“杜氏の部屋”がお食事処に。人形(左奥の杜氏と蔵人)が馴染んで一見わかりませんでした。

白鶴酒造 酒蔵開放
毎年春(4月)と秋(10月)の年2回開催されている蔵開きイベント。
2019年春の開催案内はこちら

執筆者プロフィール

大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
夫とひよこ(娘・4歳)と3人暮らし。2017年春、新卒以来10数年勤めたシステムエンジニアの仕事を離れました。機嫌よく気前よく、生きたい・書きたい・働きたい!