オメでたい頭でなによりのライブは、踊念仏みたいだった。

粋と野暮の間に嗜みを（共生の本質）

ライブ前の貴重な時間なのに、本当にごめんなさい。うーん、それもあるけど照れ隠しの…。

●赤飯： 僕の鰹が悪かったですね。照れ隠しは、うちのバンドの音楽性にもつながっていて、普通にかっこつけて「ほら、かっこいいでしょう」って、できないです。恥ずかしいから。

●ぽにき： うん うん うん。

●赤飯： 昔からどこかふざけちゃう、真面目なことを言うときも。それもそのまま出したらいいじゃないか無理せずに。そういう部分では嘘つけなくて。僕の中から出ているそのまんまが、多分照れ隠しって感じはった理由だと思いますわ。

切なさとか、なんかこう、私の中ではアホとかバカって言葉が良くも悪くも最上級と言うか、ある意味、最高の褒め言葉と言うか。

●赤飯： 分かります、分かります。関西やとね、余計にね。

そういうのをバンド名にすごく感じる。めちゃ悲しいけど笑おうや！みたいに。そういう感情の逆を『オメでたい頭』っていう言葉を使うことで気が楽になる。『オメでたい』の一言で言い切られちゃうと詰められる様に感じるけど、最後にさらっと『なにより』ってしてくれるから、押し付けられるわけでもなく、自分の中に余白もあって、楽でいい 。

●赤飯： そう言ってもらえると嬉しい。その部分は曲を作る時に彼（ぽにき）が「オメでたいの押し売りには、ならないようにしようね」って、凄く言っています。その部分を感じてもらえてるような気がします 。

●ぽにき： 酸いも甘いも知った上でのオメでたいは良いけど、ただ何も考えずに我々が「オメでたい、オメでたいでしょう！」という押し売りだけはしたくないって、ずっと最初から言ってる。それは、ただの馬鹿野郎になってしまうので、最高の馬鹿野郎になるためには、やっぱりそれは必要かなって。

●赤飯： アホが最上級の褒め言葉や温かい言葉みたいなのって、僕もすごく共感できて。理屈を超えた人情みたいな部分を希薄に感じるような時代なので、もう一回堀起こして感じてもらえるような。別に恋愛沙汰ということではなくて、人と人がお互いのことを「人間っていいよね」「人間好きやなぁ」と思ってもらえるきっかけを提供できたらな、っていうのは凄く意識しているから、ライブではいつも「思いやりのぶつけ合いをしろ」って言ってるんです。音楽性が激しいので…。

●赤飯： いわゆるモッシュ（体をぶつけ合う）のような楽しみ方は我々のライブにありますが、感情に任せた自分のエゴを他人にぶつける。ではなく、一緒にみんなでやることでそれが成立する空間。でも、日常では体をぶつけ合うことがないので、そこのいいライン引きをしないといけないと思って、皆に一番的確に伝えられる表現が『思いやりのぶつけ合い』という言葉。手は抜かなくていい。でも、思いやりをきちんともってぶつかりあってれば、理解はされるんじゃないか。仮にそれがうまくいかなくても「ごめんなさい」ってちゃんと言えたらそれでいいし、協力して面白いことができたら「ありがとう」って言えたらいい。一番基本的な人と人のつながりの根源の部分を思い出してもらって、「それっていいよね」って再確認してもらえることを自分達から皆さんに渡せたら、ライブが終わった後でも、持って帰った体験で、日常生活の中の経験をプラスに変えていけるんじゃないかなと。

いきなり粋になるって難しいけど、野暮もあかんなと思っていて、そうならないために必要なのが、嗜みかなって。バンド名や音楽性、見た瞬間のインパクトが強いから、要らぬ当たりを付けられそうだけど、やわじゃないし、野暮じゃない。余白はあるけど隙はないと感じます。

●赤飯： 伝わり辛いジレンマの一方で、一発で伝わるようにやるのも「野暮だなー」みたいな気持ちもあるので、折り合いやラインを見極めながら、自分達のメッセージが世の中に、より一層広く伝わるように模索しつつやっています。それが次の課題です。エゴとかじゃなく「人と人との部分」というのは、間違いのない真理だと思っているけど、僕達がそれを100%遂行できているかは分からなくて。この活動を通してお客さんから教えてもらうこともありますし、日々学びながらですけれども、改めて意識するだけでも変わってくると思うんで、より一人でも多くの人がそれを持っていけば「もうちょっと優しい世の中になるんじゃないかな」と凄く思うんですよ。だから、僕らが売れたら世の中は優しくなりますよ。

そう思っていることをそのまま、丸出しにしないところがいいですよね。

●赤飯： そのままやったら伝わんないですからね。良かったら、ライブも見て行ってくださいね。

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つまり、私ってどんな存在？（幸せの絶対条件）