文:いしづかたかこ
『酒蔵開放』に参加するのは何度目だろう。
酒蔵開放は、お祭りのような雰囲気の中、気軽に日本酒を飲んで、味や飲み方など知らなかった日本酒の楽しみ方を知れることが醍醐味だと思う。けれど、今回の酒蔵開放はオンラインで行われる。会議や講演会でオンラインには慣れているけど、そこにリアルほどの熱はないように思う。相手の視線や息遣い、共有する空気が感じられず、人の考えや感情を読み取るのが難しい。オンラインは1人でいる感がぬぐえない。そんな場で楽しめるだろうか。
ライブ配信が距離を近くする
今回の酒蔵開放は、下戸の編集部仲間と互いの家から『YouTubeのライブ配信』を『ビデオ通話』で同時視聴した。
心配をよそにライブ配信のトークは弾み、ビデオ通話する私たちも彼女はソフトドリンク、私はお酒がすすむ。二人とも飲んでいるものも食べているものも違うけど、ライブ配信という同じ時間軸を共有しているからか、いっしょにテレビを見ながら話している感覚に近い。
ライブ配信を見ながら、コメントを入れたり、スマホ片手にクイズに答えていく。司会者がコメントを拾って話を振ってくれるあたりは、顔が見えていることもあり、ラジオのそれよりももっと会場との距離が近く感じる。慌ただしいけど、それが祭りのようでもある。二人で「へー」って驚いたり「おつまみ何が好き?」みたいな、たわいもない話をして、ひたすら食べて飲む。こんなに喋ったのはいつぶりだろう。
頭で呑む
酒蔵開放オンラインに向けて、事前に日本酒セットが事前に販売されていた。当日行なわれる日本酒と相性の良い料理を紹介する日本酒ペアリングセミナーで使われるためだ。でも小心者の私は、どれが口に合うかもわからないのに6本も買うなんてできなかった。なのに、開催間際になって手ぶらで参加するのが惜しくなり、結局は近所のスーパーに走っていた。1本でもよかったけど、もうこれは私の知っている酒蔵開放とは、まったく別のイベントだと思うことに。せっかくのイベント事だからと純米一筋な私はラインナップの純米2本をどちらとも購入。
ライブ配信では、「辛口のお酒とポテトチップス(うすしお)」とか「熟成した濃厚なお酒にカマンベールチーズ」といった具体例とともにナビゲーターが食レポを事細かにしていた。それを聞き、私は適当に用意したアテと用意した日本酒であれやこれやと試しまくった。「相性の基本は[バランス][ハーモニー][ウォッシュ]と3つ……」と言われても、正直よくわからない。説明された具体に合わせて、あれかな?これかな?と実験的に飲み食べ比べるのは、普段のなんとなく欲望のまま飲んで食べてとは違い、けっこう頭を使う。「うん、そうだそうだ」と思うこともあれば「いやぁ、これは違うかな」と思うこともあり、もっともっと「おいしい!」を追求したくなった。
白鶴 翔雲 純米吟醸 白鶴錦
白鶴 御影郷 本醸造辛口(直営店限定)
白鶴 純米大吟醸生酒
特撰 白鶴 本醸造 山田錦 ひやおろし(季節限定)
白鶴 蔵酒(直営店限定)
白鶴 果咲実(かざみ) おいしい梅酒
ニコマーク猪口
おまけ
進行のスピードについていけないのか、酔っているのか、スマホを打つ手元がおぼつかない。それでも必死にクイズに答えてプレゼントに応募していたら……なんと当選!
酒蔵開放に参加して1ヶ月半。ようやく当たり酒”翔雲”を味わう。今回のお供は、湯豆腐の天日塩のせ。透明感のある上品な純米大吟醸と合わせるとさっぱりしていい感じ。
後日、ライブ配信でオススメされてたショートケーキも試してみたけど……やっぱり私はコクと甘みのあるチーズケーキの方が好きかな。
10年以上の歳月をかけて独自に育種開発された酒米「白鶴錦」を使ったお酒
パイナップルやピーチを思わせる華やかな果実香があり、エレガントでふくよかな甘味と穏やかな酸味がなめらかに調和。余韻では果実香とナッツ様の芳醇な香りが感じられます。
(白鶴酒造 いい白鶴ネットショップHPより)
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