文:やすかわのりこ 編集:大森ちはる
(取材日:2020年2月24日)
《当コンテンツの企画からの経緯について》
DEMOくらし編集部が“日本一オメでたい人情ラウドロックバンド”「オメでたい頭でなにより」を知ったのは、2020年が明けたころでした。「まるチラといえば、アンプの上にずらりと『まる』を並べてライブするバンドがいるそうですよ」と白鶴酒造広報部からのタレコミ(?)を受けて、ネット検索してみると、ほんとうにライブ映像にチラリチラリと映っていたんです。「まる」が。
デビューして間もなくに出したミニアルバムのタイトルも「◯」だという。これはぜひ、バンドにとっての「まる・◯」のアイコン性を訊きたい。公式サイトを見ると、くしくも2月にDEMOくらし編集部の拠点がある神戸でライブスケジュールが組まれている。2020年1月半ば、来神のタイミングでの取材を申し込むと、「ライブ当日なら、アンプも見ていただけますよ」と快く引き受けてくださいました。
そこから1ヶ月ばかりで、世の中の状況は大きく変わりました。日本国内での新型コロナウィルスの感染拡大です。どこそこの地域で、あそこの施設・会場で、と感染経路が取り沙汰されるなかで、ライブハウスやアーティストが自粛と開催をそれぞれに判断しながら模索していたギリギリの時期でした。全国の小・中学校と高校の臨時休校の政府発表があったのが、取材3日後の2020年2月27日です。
beforeでもafterでもwithでもなかった2020年2月24日に伺った話と、私たちが見た光景、湧き上がった感情を記事にしています。
2ページ目 : 楽しそうでなによりでショウ!(活動の原点)
3ページ目 : なんで笑ってしまうんだろ(丸という形の持つ意味)
4ページ目 : とっておきの隠し味(喜びの共有手段)
5ページ目 : 粋と野暮の間に嗜みを(共生の本質)
6ページ目 : つまり、私ってどんな存在?(幸せの絶対条件)
番外編記事 : サウナのすすめ。
オメでたいの事はじめ(名付けの由来)
『オメでたい頭でなにより』について、自分なりではあるけれど、あれこれ考えた。『おめでたい』というのが元々一つの単語。でも、『オメ』だけがカタカナ、『でたい』が平仮名と妙なところで分断され、次に『頭』、そして『なにより』。メンバー名も漢字、ひらがな、数字、アルファベット、カタカナが使われている…思考が行方不明になりました。
●赤飯:日本語の漢字ひらがなカタカナいろいろ使いたいなーって、欲張りな気持ちです。
●ぽにき:バンドのメンバー全員の名前を覚えてもらえるようにしたいなって。
そもそもオメでたいっていう所に重きを置いていると言うか、オメでたいに行き着いた背景からお伺いできればと。
●赤飯: シンプルなんですけど、僕がボーカルで『赤飯』っていう名前でソロ活動していたのですが、赤飯のイメージというと?
一同:(声を揃えて)オメでたいっ!
オメでたいからの赤飯さんだったんですか?
●赤飯: 逆です。もともと『赤飯』という名前はあまり好きじゃなかった。適当に決めちゃったものがポーンとなっちゃって。
好きじゃなかったこの名前は何処からやってきて、なぜ今も名乗っているのか、知りたいです。
●赤飯: ここからちょっと下ネタになりますけどいいですか?
●赤飯: このバンドを組むにあたり、この名前でいくのもどうかと迷ったんですが、自分がネガティブに思っているものをポジティブに変換して逆手にとってやろうという意味で、『赤飯=オメでたい』という結びつきが、よりわかりやすくなると思って、絶対に『オメでたい』をバンド名に付けようというのが始まり。それまでも、ずっとバンドがやりたかったんですけど、なかなか人に巡り会えないだとか、いろいろ条件が合わなくて頓挫していた。それでもバンドで夢を見たいってのがずっとあったので、そんな自分の状況を皮肉って『オメでたい頭』まで行くんです。