スキンケア、いったい何がホントなの? 〜 そこだけ知ろうとすると何もわからないワナ 〜

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いいの? わるいの? そうじゃない。必要なのは、二元的に掬わない胆力。

白鶴酒造が化粧品をつくるということ。お酒と化粧品の共通点。

コスメ好き・内海: (パッケージを見ながら)ドラマティックリペアには酒粕が入ってるんだ。

垣内: お酒づくりでは「圧搾」という工程で清酒(日本酒)を搾ります。そのときに残ったものが、酒粕。日本酒には美容効果のある有効成分が100種類以上あるとも言われていて。酒粕にもアミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。私は酒粕を1cm角に切って冷蔵保存して、お味噌汁に溶かしたりして日常的に食べています。毎日粕汁だと飽きますが、お味噌汁に溶かす程度だと、コクは出るけど風味が目立ちすぎなくて飽きないからオススメですよ。

マクロビ・宮本: おいしそう! 風邪の予防にも効きそうですよね。その固形の酒粕を、どうやって化粧水に?

垣内: 酒粕を”特殊な技術”で酵素分解して、見た目は跡形もなくなっています。

自然派・石塚: もともと口にしてきた酒粕だから、化粧品として摂っても安心な印象を受けます。白鶴さんは化粧品づくりも、お酒づくりと同じように「安全・安心」が根っこにあるんですか?

垣内: もちろんです。当社は日本酒の会社なので、化粧品で白鶴ブランドに傷がつくっていうのは、絶対あってはならないこと。品質管理も、お酒と同等に厳しいです。ロット管理や、成分も全部提出して。お酒も化粧品も「からだに摂る」ということでは同じだから。

自然派・石塚: それだけのステップを経て、この商品たちは今ここにいるんですね。

垣内: 白鶴ブランドの化粧品を使っている白鶴社員、少なくないんですよ。品質管理が徹底された「安全・安心」のクオリティーに実感があるからかな。「まる」をはじめ自社のお酒をよく飲むのと一緒かもしれません。

畏怖は、妄信することじゃない。

頑丈肌・大森: 先ほどのコットンや化粧水の使い分けの話にちょっと戻りますが、垣内さんのそういう知識は、いろいろと試した末にたどり着かれたんですか?

垣内: いえ、2016年に化粧品事業部(当時)に異動して、そこから勉強して分かりました。例えば、角質層の厚みはラップ1枚分(0.02mm)とか。

マクロビ・宮本: うすい! 思ってた以上にうすい!

垣内: そうすると、きつくマッサージしたり、バンバン化粧水を叩き込んだり……っていうのは肌に負担が大きそうだなって気づくじゃないですか。リンパもかなり皮膚の上の方にあるので、美容家さんによってはリンパを流すだけなら筆でなでるだけでじゅうぶんって言われるくらい。あとは、もともと私はオーガニック系が好きだったのですが、OEM先の化粧品製造のプロの方たちから、科学的な根拠ゆえの「安全・安心」もあるんだと学びました。

自然派・石塚: パッケージに「パラベンフリー」って書いてありますが、パラベンって防腐剤ですよね? 防腐剤が入ってないということ?

垣内: パラベンの防腐剤は使用していませんという意味。化粧品は水や油を含んでいて雑菌やカビが繁殖する可能性があるので、基本的に何かしらの防腐剤が入っています。もし何も入ってなかったら、食品と同じ扱いで、例えば3日で使いきってくださいね、冷蔵庫で保管してくださいね、というレベルになっちゃう。しかも、クリームとかは思いきり手でつけてるじゃないですか。手についている雑菌ってじつは相当量で、それが移って繁殖した化粧品を直接顔に塗るのは怖いですよね。業界各社、人体に影響のない防腐剤の種類と量を勘案して入れてらっしゃると思います。

マクロビ・宮本: 環境に適応してきた自然のものだからこそ、強く作用する場合もあると聞いたことがあります。天然=人間にもよいもの、とは限らないと。

「肌づくり、80歳を見据えていきましょう」(白鶴酒造 垣内さん)

コスメ好き・内海: さっきからずっと思っていたんですけど、垣内さんって手も透明感があってキレイですよね。

垣内: ありがとうございます。手にも化粧水とかつけています。顔につけて、そのまま手にも。手のスキンケアは今からしてちょうどやと思っていて。手も紫外線は浴びるわ、ゴシゴシ洗われるわ、何度も石鹸で洗われるわ……と過酷な状況にさらされているので。

コスメ好き・内海: 今からしてちょうどって、1年後? 10年後?

垣内: 80歳。人生100年時代ですし

頑丈肌・大森: 80歳!! 「いま」潤うことばかり考えていました。

垣内: 顔のターンオーバーって正常で28日くらい、40歳を過ぎたら40日くらいになってくるんですが、手はその3倍以上の期間がかかると言われています。しかも、心臓より下にあるから血流もわるくなって、手先が冷える人ってすごくたくさんいる。冷えって、ざっくり言えば、毛細血管が老化していっているということなので。

自然派・石塚: 老化……おぉ、怖いこわい。

垣内: だから、いまから丁寧にやっていくのがいいと思います。手で悩んでいる方って世の中すごくたくさんいらっしゃって。やっぱりハンドクリームやマッサージだけじゃ足りないんですよ。

コスメ好き・内海: 最初におっしゃってた「からだの内側」ですか?

垣内: そう、食べるところから。お酒づくりと肌づくり、似てるなぁって思うんです。永い研究の歴史があって、セオリーもあるけど、偶然性が多分にあって。お酒も肌も、外から補給したり刺激を与えたりはできても、結局は内から有機的に醸されるものに決定づけられるんですね。

マクロビ・宮本: 深いなぁ。

垣内: もちろん、身近にできることもあります。外出先のトイレにあるエアタオル(ブワーッと手を乾かす機械)を使わないとか。

全員: あーーー!

垣内: 一気に乾燥させるあの力技、肌には大きな負担なんだと思います。自分のタオルで拭きましょう。それだけでも3ヶ月後、けっこうな変化を感じられますよ。きっと。

(おわり)

執筆者プロフィール

大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
大森ちはる(神戸市在住・1982年生まれ)
夫とひよこ(娘・4歳)と3人暮らし。2017年春、新卒以来10数年勤めたシステムエンジニアの仕事を離れました。機嫌よく気前よく、生きたい・書きたい・働きたい!