みんなの器を覗き見!

酒器、好きずき。〜あなたのお気に入りを見せて下さい〜

構成: 桂知秋  文:日本酒好きのみなさま

毎日の晩酌、1人でしっぽり、それとも気の知れた友人たちと酒宴、、、。それぞれの日本酒を楽しむひとときに、どんな酒器を選んでいるのだろう?

酒豪や器コレクター、はたまた下戸まで、みなさんの日本酒タイムのお供、見せてもらいました!

  • 骨董屋のガラクタ市で集めた古いおちょこや徳利、作家ものなど、あまり家では日本酒を飲まない割にはなぜか器は集めてしまう。毎晩は飲まないからこそ、器を選ぶ時は遊び感覚なのかも。でもどの酒器にもある共通項はずばり、口当たりの薄さ。唇が器の存在を感じないほうが、お酒の存在をじっくり感じられる気がしているのだと思う。この器は、「うすはり」で有名な松徳硝子のもの。くっと飲み干したときに見えるグラスの底の硝子細工がなんとも美しいマイベスト。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    今日は何を飲もうかなと考えながら献立を考えるのが好きなくらい毎日の晩酌を楽しみに生きている。多いのはワインかビールだけど、おでんと手巻き寿司の時だけは絶対、日本酒。

  • 人からの「すごく呑みそう」に対し、自分でも「ですよね」と返すほどの酒やけ声なのだけれど、実は下戸。だけど内へ内へと内省したい時には、日本酒をお供にしたくなるのです。30代無職だった頃に購入したこの器は、底のすぼまり具合が心もとなくて落ちつかない反面、ところどころ感じる表面のざらつきが、まるでめんどくさい自分みたいで、いいようのない親しみを感じる不思議。釉薬がかかった滑らかな縁に唇を重ねれば、脳を刺激する日本酒の香りとともに、器が私の巡る想いを「そうだね、わかるよ。」と受け止めてくれているような気がします。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    日々頭の中に溜まっていく雑多なことを自分なりに咀嚼して整理しないと腹に落ちてこない性分で、月経周期のように訪れるそのタイミングが来たら深夜に1人で。

  • 出逢って一瞬で恋に落ちるタイプ。しかも旅先がほとんど。この琉球グラスは、一年前に沖縄で出逢ったもので、厚みがマッチョな感じなのに、一点の青マルが人見知りしつつも振り向いたら青空のような笑顔を向けてくれる感じがする、沖縄系イケメン。今のお気に入りです。ただ、残念なことに、別れ(割れる、飽きる)も毎年訪れるので、お付き合いは1年程度、それが私の限界のよう。酒器も男も。・・・さすがに既婚者の今は、器だけの話・・・。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    土曜の夜は夫婦で家呑み。お酒の強い夫とは、必ず半量ずつ公平に呑むのが円満の秘訣。ちなみに二人の時は、音がいい酒器をチョイス。乾杯!とグラスを当てた時のきれいな余韻のある音は、一週間のモヤモヤが吹っ飛びます。

  • 毎日の晩酌では難しいことは考えず、どんな料理にでもあう「白鶴 まる」や「白鶴 上撰」を常温のまま、なんの変哲もないグラスで、が日常。小さすぎると「まだ飲むの?」という嫁さんの視線は辛いから、サイズ選びだけは大事です(笑)。そんな僕も、時間と気持ちに余裕がある時だけお燗器「ミニミニかんすけ」を。錫のちろりで湯煎すれば、いつもの「レンジでチン」よりお酒の味はまろやかに。この時ばかりは入社当時に骨董品店で買ったおちょこも引っ張り出して、お店のような雰囲気に、家でも盛り上がります。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    出来立てのご飯とともに、日本酒片手にテレビを見ながら夫婦でとりとめのない話をするのが、毎日のほっと一息できる時間。ちなみにお互い仕事が早く終った方が晩ご飯を作るのが我が家のルール。

  • 実家にはお酒好きな父のための、男っぽいどっしりした熱燗用の器がたくさんあり、特に気にせずそれを使っていた私。旅行先でも酒蔵を探すほど日本酒好きなので、実家を出て初めて自分好みの器を探し出すように。気がついたのは、性格も味覚も辛口派な自分が、意外に薄くてはかなげで滑らかなラインの女性らしい器が好きだということ。その中でもこのお猪口は、九州一人旅の際に、有田陶器市で購入したもので、スリムで軽くて持ちやすく、滑らかな肌触りで、つい手にとってしまう愛用品。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    1人の時は夕飯を作りながら。夫がいる時は、夕飯時か風呂上りに2人で日本酒かワインを。楽しいこと・美味しいものはシェアしたいから1人で飲むより誰かと飲むほうが好き。

  • 家で呑むなら必ず日本酒、しかもどっしりとした飲みごたえの”純米”ひとすじ。だけどすぐに酔ってしまう私には、少量をちみりちみりと呑めるサイズがぴったり。このお猪口は転勤族だった頃、引越しのせんべつに社宅の飲み友だちがくれたもの。ガラスながらも分厚くて耐熱仕様。落としても、ぶつけても傷つかない丈夫さは、がさつな私でも安心できる相棒。もしかしたら、口当たりがしっかりしているあたり、純米と似ているのかもしれない。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    週に数回、仕事も家事も片付いたとき、寝る前に好きな映画を見ながら日本酒を。いい気分で呑みたいから、前評判の確認もして、安心できる映画をセレクト。

  • 我が家は基本的に仲のいい家族。が、両親の歳のせいか「小さなウップン爆発事件」が連発するように。そんな中、母の誕生日に父が「ちょっといいお酒買ってきたよ」と箱に入った香住鶴で、久しぶりに家族三人でのお酒。この酒器は、私が20歳の時に、毎晩楽しげにお酒を飲んでいた両親に憧れ「やっと追いついた!」と思い、結婚記念日にプレゼントしたもの。モダンなデザインと、「似てるけど違う」3つのお猪口。うちの家族みたい。「香住鶴って、昔旅行で行った道の駅に売ってたよね」と母。嬉しそうに話す父は15分でソファーにノックアウト。母と私で残りをおいしく呑み干した。

    \ マイ家呑みシチュエーション /

    誕生日やお正月、お客さんが来た時は一升瓶の日本酒。我が家にとっては、日本酒は時間と空間の共有に深みをくれるためのお酒なのです。

執筆者プロフィール

桂知秋(神戸市在住・1978年生まれ)
桂知秋(神戸市在住・1978年生まれ)
英字情報誌スタッフ、地産地消活動団体の広報、三姉妹の母、フリ−ランスのデザイナー、なんかの通り道があるけれど、呑んで・食べて・暮らすこと、がいつも人生の真ん中。