ひらけ、蔵。座れ、ゴザ。 〜 2019年秋 白鶴酒造「酒蔵開放」

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<<< 来場者さんに聞きました。

地元の畳店さん×DEMOくらし「レンタルござ」

地元畳店の奥井畳店さん、角新蔵商店さんが中心となって約50枚の国産の畳表(古ゴザ)を集めてくださって、無事レンタルゴザができました。レンタル開始から30分後には品切れ状態、その後も返却があるたびすぐ借り手がつく好評ぶり。たくさんの方に実際に触れていただけました。

一説に、座布団や寝具として使用していた畳も、室町時代には部屋全体に敷き詰めるようになり、正座という文化が始まったといわれています。ならば、『座族・日本人』の歴史も共にスタートを切ったのかな? なんてね。地べたに背高のっぽのワイングラスは気が気でないけれど、御猪口ならさほど気にならない、少し欲を言えば味がある。

日本酒好きはゴザが好き? 体感としてまったり、気持ちとしてしっくり、視覚としてデスヨネと勝手に納得している私ですが、ゴザを手に家路へ向かう人達の後ろ姿と夕暮れに、新たな疑問とその理由を見付ける旅が、ようやくここから始まりそうな予感に少し酔いしれていたのです。(ゴザが気に入った方には、イベント終了時お持ち帰りいたただきました)

1)本日はお日柄もよく。レンタルゴザは受け入れられるのか? 2)ゴザを手にする人あれば、パンフレット片手に声を掛け。 3)ひとの数だけ感じ方があるよね。 4)(左から)今回ご協力くださった地元畳店、奥井畳店の奥井さんと、角新蔵商店の角さん。畳屋さんの印象が変わったなら本望です。 5)レンタルゴザチームのPRタイム。奥井さんの話に会場の反応は上々! 6)触れば自ずと興味がわくんだな。 7〜14)イベント終了後、ゴザは気に入ってくれた方々のお家にもらわれていきました。お祭りの終わりは少し切ないけど、お家には家族団らんが待っている。

編集後記:この日、私が出会った白鶴酒造。

10月最初の土曜日。何を着ようか迷うくらい、とにかく暑い一日だった。酒蔵に行ったことはあるけど、蔵開きは初めてだった。思っていた通りに見えて、その奥は少し違っていた。これもお祭りなんだ。祭には、何かしら家に人が集まる引力がある。慌ただしく御馳走を用意しつつ心は踊り、再び会えたと喜び合う日。そんなことを出会った人たちの中に感じた。祭で日頃の汚れを祓い「また来年。また明日」と手を振り帰る。そんな小さな輪っかを大きな酒蔵が包んでいるよう。着ている服は役割ごとに違うけど、スタッフは走り回っている。その様子が運動会のようで、「だからか」って思いながら、酒蔵開放の時しか入れない大切な芝生の上で「ふふふ」と笑った。

その瞬間に
総務人事部 スギモトさん

しぼりたて生原酒と仕込み水の無料試飲コーナーは、普段は飲めないだけに人足が絶えない人気コーナー。少し冷えた垂れ口は香りもよくのど越しもいい上にとにかく美味い。涼しげな声で、垂れ酒が商品になる迄の課程を教えてくれる総務人事部のスギモトさん。「普段は酒造りと離れた仕事なので、こういう時に日本酒を勉強させていただいてます。それにスタッフもいろんな部署から集まるんですよ」。わざわざ社員をごちゃまぜにして交流の場にしてしまう。大きな会社のうごめきを感じた瞬間でした。

だって楽しいんだもん
品質保証部 アカマツさん

ステージで酒造り唄を披露した社員歴23年、白鶴酒造り唄保存会会長で立ち上げからのメンバー。「先日、メンバーの一人の結婚式に我々が法被を着て、呼ばれてもないのに一曲だけ歌って、樽酒をガッと飲んで帰ってきました」。えっ? と心の声が。実は奥様も社内の方で、結婚式では鏡開きが行われたと聞き、さすがだなと感心。現状の作業で酒造り唄は使われておらず、イベント披露が主。年に一度、灘五郷にある保存会同士が集まる際に各蔵一曲持ち回りで唄うのですが、それぞれの蔵の色が歌詞や節回しの違いに出てくるそうです。

照れ隠しの言い訳に
ダイレクトマーケティング部 吉内さん

コスメ売り場のゴリゴリの押しが苦手な私ですが、来場者さん達が楽しそうにしているので、お試しすることに。片方の手の甲に大吟醸の酒粕を使って作られたパックを塗り塗り。商品の説明や使い方も丁寧に教えてくれるのですが、売り手というより一人の女子。キャッキャしながら楽しいおしゃべりタイムといった感じ。気が付けばコスメコーナーは大盛り上がりで渋滞。男性もお手入れする時代だから、「酒蔵に来たついでに」というシチュエーションは、照れ隠しの言い訳にちょうどいいかも。

白鶴酒造 酒蔵開放
毎年春(4月)と秋(10月)の年2回開催されている蔵開きイベント。
2019年秋の開催案内はこちら
【レンタルゴザ】ご協力くださった畳店さん
神戸市畳商工業組合より
▶︎奥井畳店ウェブサイト
兵庫県神戸市灘区桜口町2丁目3−21
078-841-0351
▶︎有限会社角新蔵商店ウェブサイト
神戸市東灘区本庄町1丁目14−21
078-411-5287

執筆者プロフィール

やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
やすかわのりこ(三木市在住・1973年生まれ)
趣味も特技も特になし。これも、わたしらしさと言おう。笑